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宇宙世紀年表が覚えられない妻のために解説してみた(ハサウェイ~V以降編)

鉄仮面

一年戦争の事になると早口になっちゃうおじさん、ゆーいち(@ucu1k2)です。

宇宙世紀年表が覚えられないと嘆く妻のために宇宙世紀の流れを時系列で振り返るエントリーの最終回です。
今回は閃光のハサウェイで強権をふるった連邦政府が、F91のクロスボーンバンガード隆盛やVガンダムを経ていよいよ瓦解、分裂する時代を解説します。

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ラストシューティング宇宙世紀年表が覚えられない妻のために解説してみた(一年戦争編)Zガンダム宇宙世紀年表が覚えられない妻のために解説してみた(0083~ZZ編)ラストシューティング宇宙世紀年表が覚えられない妻のために解説してみた(逆シャア~NT編)
U.C.0105
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
U.C.0123
機動戦士ガンダムF91
U.C.0153
機動戦士Vガンダム
U.C.0203
ガイア・ギア
U.C.0218
地球連邦解体(G-SAVIOUR)

このエントリーは各作品のあらすじ、一部ネタバレを含みます。ご注意ください。

U.C.0102 サナリィ主導によるMSの小型化(フォーミュラープロジェクト)が始動

MS用小型核融合炉の開発を進めていた「サナリィ」(S.N.R.I、海軍戦略研究所)が連邦政府にMSの小型化を提言。
現行の18~20mから15m級への転換によるコスト削減と、浮いた予算によりコロニー再建計画が見込める事から連邦政府はこれを推進していく。

それまで兵器製造を一手に引き受けていた「死の商人」アナハイム・エレクトロニクス社は軍縮によるコスト削減を嫌い、主力MS「ジェガン」をダウンサイジングしただけの「ヘビーガン」を提案。

U.C.0110、最終的にサナリィの開発力に後塵を拝しOEMでの企業存続に舵を切る事になる。

アナハイム・エレクトロニクス

  • 一年戦争後ジオンMS開発会社ジオニック社を吸収し、以降陣営問わずMS、戦艦など兵器開発を一手に引き受けてきた「死の商人」。当然政界との癒着も深い。アルベルトビスト
  • 月に「フォン・ブラウン」基地と「グラナダ」基地を有する事から「月の専制君主」とも呼ばれ、両基地でそれぞれ敵対する陣営のMSを製造している事も珍しくない。
    とは言えMS部門は企業全体としては小規模部門で、民生品やソーラーパネルなど他部門で十分な利益を上げているようだ。
    通称アナハイムギャルズと呼ばれる面々のレベルも高い。アナハイムギャルズ
  • マクロ的にはMS製造を独占していた事による規格統一化などのメリットはあるものの健全な経済活動とは言えないため、U.C.100年以降の軍縮を受けて、他メーカーとの共栄共存を図っていく事になる。
    この方針転換によって各地に製造工場を分散したため製造ラインの全てを把握しきれなかった事が、私設軍隊「クロスボーン・バンガード」の設立やザンスカール帝国復興の遠因となった。

U.C.0103 反地球連邦組織「マフティー」、軌道上の監視人工衛星を破壊

「マフティー・ナビーユ・エリン」は組織名であり、指導者の名前でもある。

U.C.0105 04.20 マフティー、ミノフスキー・クラフト搭載の「Ξ(クスィー)ガンダム」を地球へ移送。

先立つ事04.09、連邦軍は同じくミノフスキークラフト・ユニットによって大気圏飛行が可能な試作MS「ペーネロペー」を月面からオーストラリアへ移送。

マフティーはΞガンダムの高速飛行能力をフル活用し、テロ活動の中心戦力として使用した。

宇宙世紀 0105 04.21 マフティー、連邦の中央閣僚会議の粛清を宣言【閃光のハサウェイ】

オーストラリアのアデレートで開催中の閣僚会議において決議されようとしている、既得権益のための法案撤廃を求め閣僚たちの粛清を宣言。

ゲーム内ボイスによるマフティー演説。声は逆シャアからボイスを担当している佐々木望。

宇宙世紀0105 「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」

度重なる戦乱の中、「人類の可能性」にかけたアムロと「地球を守らなければならない」と自ら狂気を宿したシャアの思想を間近で見てきたブライト・ノアの息子、「ハサウェイ・ノア」はマフティー・ナビーユ・エリンを名乗り、地球を私物化している特権階級の専横と腐敗を正すため秘密結社を結成、Ξ(クスィー)ガンダムにて反政府活動を行っていた。閃光のハサウェイ一方、ハイジャック事件をきっかけに友人として交流する事になる連邦軍「ケネス・スレッグ」大佐(後に准将)はマフティーの正体がハサウェイであると看破。
レーン・エイム中尉が駆る新鋭モビルスーツ「ペーネロペー」を指揮し、アデレード連邦議会襲撃の阻止に成功する。

ポイント

  • ガンダムUC以降の宇宙世紀を描く「UC NexT100」プロジェクトの第二弾。
    原作小説では全体的にMS戦が少なく、誰も救われない物語のため興行的に映像化は難しいと思われてきたが2019年冬に劇場版公開予定。2020年7月23日に劇場版公開が決定。全三部作予定。
    閃光のハサウェイ
  • 小説版ハサウェイは劇場版「逆襲のシャア」ではなく小説版「逆襲のシャア/ベルトーチカ・チルドレン」の後の物語となっている。逆シャアではクェスを撃ったのはチェーンであるのに対し、小説版では「アムロを殺そうとしたクェスをハサウェイが殺す」と展開となっている。
    クェスを手にかけた事はハサウェイの大きなトラウマとなる重要な部分であるが、劇場版からのつながりでも修正は効く範囲か。
  • ニュータイプに出会ってしまったばかりに、アムロのようにシャアのようになろうとした「器」は、アムロにもシャアにもなれないもどかしさに独善を加速させていく。
  • 地球再生を目指したジャミトフやシャア、後の世に母系社会によるユートピアを目指したカガチなど「志は崇高だがやり方が性急すぎる」者は討たれる訳で、ハサウェイもその軛からは逃れられなかった。黄色いリンゴガンダムシリーズでは珍しい主人公側組織の敗北、主人公の明確な死亡となる。
  • この頃には「地球は高級リゾート地であり、かつコロニーにすら住めない(宇宙に上がれない)貧困階級の溜まり場」という設定となっている。
    地球に根を張る特権階級は不法地球居住者を「マンハンター(人狩り)部隊」で合法的に人減らしする事が許されており、この歪んだ格差を打倒するためにマフティーは立ち上がった。

check!

  • この時代の連邦政府は腐りきったクズオブクズで、アデレード会議にて「地球の土地を(強制)接収する代わりにコロニーに同じ面積の土地を与える事が出来る」法案を決議しようとしている連邦議員たちに、ケネスがうんざりしている描写がある。
  • 前述の通りこれまで映像化には恵まれなかったが、「ビルドファイターズ」でBB戦士Ξガンダムが、「ビルドファイターズトライ」最終話でファンネルミサイルを射出するΞガンダムの活躍がありファンを沸かせた。Ξガンダム

U.C.0105 04.26 反地球連邦運動の首謀者、マフティー・ナビーユ・エリンを逮捕

「ペーネロペー」との再戦においてもマフティーは実戦経験の差で再度追い詰めるが、会議場周辺に設置されたビームバリアーに引っかかり「Ξガンダム」擱座。
Ξガンダムは武装解除され全身火傷の重傷を負ったマフティーも捕らえられる。
連邦は彼を反政府活動の戦死による殉教者とはせず、無秩序な犯罪者として処刑するために治療を行う。

U.C.0105 05.01 マフティー処刑

意識を回復したマフティーの処刑は裁判なしで即刻行われた。
即処刑されたのは自分達を乱すものは即断罪するという連邦の体質もさることながら、ハサウェイの父親でありケネスの後任となるブライト・ノアに息子殺しさせまいとするケネスの計らいでもあった。
マフティーの正体は当初ケネスのみが知るところであったが彼の上官にリークされ、連邦の都合のいいように報道されてしまう。

以降、反政府活動は弱体化または鳴りを潜める事なるが、未来の人類に可能性を託したハサウェイ・ノアの名前は『マランビジー(枯れることのない水)』のように人々に浸透し、語り継がれる事となる。

反政府活動

  • ハサウェイの最後の言葉通り、20年後のコスモ・バビロニアや50年後のザンスカール帝国建国など反政府運動そのものは消える事は無かった。
    しかしそれらの活動はハサウェイの望むものとはならず、当初の崇高な理想も支配欲に堕する事となっていった。
  • 一方、連邦は急速に支配力を失い、ただ生き永らえて自壊を待つだけの道を辿っていく。

U.C.0106 クロスボーン・バンガード(C.V)設立。

ブッホ・コンツェルンの私設軍隊でコスモ・バビロニア建国のための制圧、軍事活動を担う組織として設立された。
またこの頃から新規コロニー建設再開。

「高貴な人間には責任が伴う(ノブレス・オブリージュ)」というコスモ貴族主義を掲げ、私設軍にも同様の「高貴な精神」を浸透させており、独自開発した高性能MSの能力と相まってU.C.0123のコスモバビロニア建国戦争では連邦軍を圧倒した。

U.C.0111 10 サナリィの「Fシリーズ」が連邦軍次期主力MSに決定

次期主力MSの小型化を巡り、コンペティションにてサナリィの「F90」がアナハイムの「MSA-0120」を圧倒。言うなればクライアントがコスパ抜群の軽自動車を発注しているのにフル装備のベンツを提出してきたのがアナハイムであり、この結果は当然と言えた。
MS製造からの排除を恐れたアナハイムはサナリィからの技術盗用をも目的とした「シルエットフォーミュラー計画(プロジェクト)」を開始。

ブッホ社製MS技術と合わせ、サナリィと同様の技術水準に達したアナハイムはクライアントの要望をようやく理解したらしく再び連邦主力機を一任され、U.C.120年頃から「RGM-122 ジャベリン」などが配備されていく。

U.C.0120 10.25 オールズ・モビル軍がジュピトリス級輸送艦を襲撃

オールズ・モビルは「火星独立ジオン軍」の通称。
Olds Mobileとは、中身こそU.C.0120年代にアップデートされた性能だが外見は1年戦争時のザクやリックドムを模したMSを使用している事に依る。
28日にはガンダムF90・2号機を強奪。
火星基地にて連邦軍を迎え撃つが、戦略兵器の自壊により基地が壊滅、自滅に近い形で反乱は終結した。

U.C.0122 第二次オールズ・モビル戦役にてジオン残党軍壊滅

裏でブッホ・コンツェルンの支援を得た地球圏のオールズモビル残党は連邦軍と再度衝突し敗北。
一年戦争から40年の時を経て「ジオン公国」残党軍が消滅する

宇宙世紀 0123 03.26 クロスボーン・バンガード、コスモ・バビロニア建国を宣言【ガンダムF91】

U.C.0123 03.16、腐敗した連邦政府を打倒すべく、「高貴な精神を持つ者が人民を導くべし」とする「コスモ貴族主義」を掲げたC.Vは、スペースコロニー群フロンティアサイド内の「フロンティアIV」を襲撃。
10日後の26日にコスモ・バビロニアを宣言し、後に軍規定に従ってC.Vは解体、コスモ・バビロニア国軍に再編された。クロスボーンバンガード

U.C.0123 03.30 C.V、フロンティアIに「バグ」を投入し住民を虐殺

「鉄仮面」ことクロスボーン・バンガード最高司令官「カロッゾ・ロナ」は『人類を永続させるためには人類を適正な個体数まで整理する必要がある』という「ラフレシア・プロジェクト」の一環として、人間だけを探知して抹殺する「クリーンな」全自動円盤型殺戮兵器「バグ」を大量に投入。バグバグは「300万人を2,3日で抹殺できる」とされたが、母艦のコントロールユニットを破壊され機能停止。

反乱分子に肘鉄するべく鉄仮面はMA「ラフレシア」を駆って連邦艦隊を撃滅。その後、F91と対峙するも「質量を持った残像」を捉えきれずラフレシア(鉄仮面)は自らのコックピットを撃ち抜き自滅した。ラフレシア

宇宙世紀0123 「機動戦士ガンダムF91」

腐敗した連邦政府と、コスモ・バビロニアの建国を目指す私設軍隊「クロスボーン・バンガード」の戦渦に巻き込まれた青年「シーブック・アノー」は、避難先の軍艦で「ガンダムF91」に搭乗し目覚ましい戦果を挙げる。
一方シーブックの友人「セシリー・フェアチャイルド」は実はコスモバビロニアの創設者の孫娘「ベラ・ロナ」であった。彼女は建国の象徴として祭り上げられるが、戦場で死んだと思っていたシーブックと再会する。シーブックvsセシリー彼女は再びセシリーとして生きる事を選び、シーブックと共に「カロッゾ・ロナ(鉄仮面)」との戦いに挑む。
通称「F(エフ)91」。

ポイント

  • 88年公開の「逆襲のシャア」に続く劇場作品(’91年)。F91
  • 宇宙世紀でありながらシャアやアムロなど見知ったキャラクターは登場せず、MSのデザインラインも一新、物語の背景もほぼ新規であるため、いわゆる「アナザーガンダム」状態にある作品。
    そのため「アナザー」が抱える問題、「これガンダムじゃなくてもよくね」という『新機軸とガンダムらしさ』のバランスに苦慮する先鞭作品となっている。
  • もともとTVシリーズ1クール分を劇場版に詰め込んだとの事で、2時間という枠の中で説明しきれない部分も多々あり、特に以下の部分が分かりにくいと思われる
    ・C.Vが決起した理由
    ・セシリーの家庭環境や系譜
    ・今の場面がフロンティア4なのか1なのか
    ・アンナマリーがいつ裏切ったのか
  • バグの殺戮シーンは勿論、落下したMSサイズの薬莢が当たって母親が死ぬなど色々エグい場面がチラホラ。F91
  • 鉄仮面の異様な存在感。やはりいい悪役がいると刺さるものがある。

カロッゾ・ロナ

  • プラチナ製の仮面で素顔(本心)を隠す通称「鉄仮面」。セシリーの実父。
    肉体改造した強化人間であり、最短距離で「コスモ貴族主義」を実現するために非人道的手段を用いて暗躍する。鉄仮面
  • バグによる無作為殺戮を「誰の良心も咎めない良い作戦」と自画自賛したり、元妻に侮辱され「私も感情を持つ人間だ。素顔であれば今お前を殴り殺していたかも知れん」など尖ったセリフが非常に多い。
  • 終盤では脳の処理容量的に普通の人間では操作できないラフレシアを操り、ノーマルスーツ無しで宇宙遊泳し、MSの装甲を引っぺがすなど大暴れ。
    調子に乗って「しかも脳波コントロールできる」と戦闘中に突然自分の愛機自慢を始めるが、F91のM.E.P.E(いわゆる質量を持った残像)を処理しきれず撃墜された。
  • 「ふはは、恐かろう。しかも脳波コントロールできる」の後すぐ「しかも手足を使わずにコントロールできるこの私を見下すとは」ってほぼ同じ事言ってるの、憎悪と憤怒で頭の中最高に煮え上がっていてベストオブ冨野節。
  • 2mの体躯でありながら科学者気質でコミュ障であり、能力の高さがプライドを生み、それを砕かれた事で狂気を孕んでしまった。
    「仮面で素顔を隠してるクセに大口叩くな」的な煽りをすると100%キレる。

M.E.P.E(MEtal Peel-off Effect )

  • 「金属剥離効果」の頭字語。
    F91最大出力時に冷却のため装甲表面の塗装や金属が剥離して鱗粉状でその場に残る。その副次効果として敵のセンサーを誤認させる。質量を持った残像
  • 通常の閉鎖型コックピットであれば外部センサーが剥離片を敵影と処理して突然敵が「分身」したように表示されるが、ラフレシアの場合は鉄仮面が肉眼で視認できるため、鉄仮面自身は敵が1体と分かっているのにラフレシアのセンサーは複数体と認識する事から『残像』と表現した。
    基本的に対ラフレシア戦で効果があっただけで味方センサーの誤認も引き起こすため、改良された後継機ではこの機能はオミットされている。
  • ネットではピアノやギターなどの高速演奏などを「質量を持った残像」と評す事がある。

U.C.0140 コロニー主義の台頭

連邦政府が各コロニー政庁に認めた自衛権はすぐに拡大解釈され、各コロニーの経済格差や貿易の不均衡をめぐっての対立が表面化。
この頃からマリア・ピァ・アーモニアの布教による「母なるものを大切に」し、救済と慰謝を説いたマリア主義が台頭

U.C.0149 サイド2にコロニー国家「ザンスカール帝国」が建国

この頃から0150年代にかけて各コロニー間で軍事衝突が頻発、「宇宙戦国時代」と言われる群雄割拠の時代に突入している。

台頭してきたマリア主義にガチ党党首フォンセ・カガチが接触、彼女の思想を取り入れザンスカール帝国を勃興させる
地球に執着する連邦政府の無関心もあり、影響力を拡大していく一方、反抗、反逆者に対しては拷問、中世の処刑器具「ギロチン」による公開処刑を行い、信仰と恐怖による独裁体制を築いていった。

時を同じくして神聖軍事同盟「リガ・ミリティア」はこの状況に危機感を覚え、V(ヴィクトリー)計画を発動する。

宇宙世紀 0152 .10 ザンスカール戦争勃発【Vガンダム】

0152年10月、ザンスカール帝国は地球のラゲーン航空基地を占拠、前線基地に作り替える。
翌年0153年、V計画によりガンダムタイプのMS製造に成功したリガ・ミリティアとザンスカール帝国軍「ベスパ」との戦いが始まる。

宇宙世紀0153 「機動戦士Vガンダム」

宇宙戦国時代の中、恐怖政治を敷くザンスカール帝国への抵抗組織「リガ・ミリティア」で戦う事になる少年「ウッソ・エヴィン」の物語。通称「V(ブイ)ガン」。
ガンダムでは珍しく主役機は量産機であり、脚部パーツを落下爆弾代わりに使うなどガンダムが使い捨てかと思ったら人間が使い捨てだった作品。登場人物が次々と死んでいくため「黒富野」脚本と言われる。
それが故にセリフ回しがキレキレで「椅子を尻で磨くだけの男で終わるものかよ」など名セリフも多い。

ポイント

  • 「F91」の興行的不振を受けて冨野監督はプロットを練り直し、SDガンダムを見ている少年層の獲得を目標として、「明瞭快活なガンダム」を目指した。
    が、物語が進むにつれ冨野監督自身が追い詰められていくのを反映するかのように、戦争の狂気に当てられた人物がおかしくなっていくさまが描かれるようになった。
    内容も相応の展開となり少年層の獲得には至らなかったようだ。
  • カトキハジメがデザインしたVガンダム、V2ガンダムの人気に比べて、通称「猫目」のベスパ側MSは今までのモノアイMSに見慣れてきた層からは不評の声が多いが、ザンスカールの異質さを表現できているとも言える。
  • 女性部隊であるネネカ隊を水着姿でガンダムと戦わせたりなどの描写もあるが、作品の特徴として「成人男性がほぼ後方指揮で前線ではあまり戦わない」があげられる。ネネカ隊レジスタンスの子供と老人と女が、敵の女エース部隊と戦うという世界であり、『命を生み、育み、そして未来へ繋ぐ』事が出来る女性が戦い、男達=大人たちが世代交代を放棄するこの構図は意図的なものだろう。

U.C.0153 05.21 ザンスカール帝国ベスパ軍モトラッド艦隊、地球圏に降下

女王マリアの地球降臨前に地球を浄化する名目で「地球クリーン作戦(地球浄化作戦)」が決行される。
「タイヤの付いた戦艦」で地球上の建築物を住民ごと踏み潰していくモトラッド艦隊に対し、有効打を与えられないリガ・ミリティア。

しかし5月28日、ザンスカールと地球連邦の間に突如和平協定が実現。モトラッド艦隊は地球から退去する。

バイク戦艦

  • 「地球クリーン作戦」編は何かと鬱展開の多いVガンの中でも屈指の鬱エピソード。
  • バンダイ(スポンサー)から「バイク戦艦出してよ(要約)」と押し付けられヤケクソ気味で出した所、後世でVガンを代表する狂気のシンボルとなった。
    そもそも戦艦にタイヤつけてローラーで地球を真っ平に地ならし、というコンセプトからして常人の発想ではないが、「地球をバイク乗りの楽園にする」という夢を叶えるためにバイク型戦艦を開発してしまう部隊長はおかしい。さらにどういうプレゼンをしたら軍上層部が納得するのか、全てが謎バイク戦艦
  • 個人的には「何が正しいのか」悩んでいたカテジナが聖女に思えるぐらいヤバい人らだと思う。
  • 母さんです運悪く事故が重なり、戦場で母を失ったウッソ。
    「誰のせいでもなかったよね」と庇うマーベットの問いに「よくわかりません…。母さんです」と母の頭が入ったままのヘルメットを差し出すウッソの姿は視聴者に強烈なトラウマを植え付けた。

カテジナ・ルース

  • 「ガンダム三大悪女」の一人に数えられる事が多いが実はネットで言われるほど狂ってはいない。確かにセリフ回しや行動は狂気じみているが、彼女の心情を理解するとある程度は納得できる。カテジナ
  • まず理解しなければならない事はカテジナは「嫌な記憶しかないウーイッグに住んでいた過去の自分と決別」したがっている事。これは第一話で故郷のウーイッグが攻撃された事に対し「爆撃されて良かったんです」と語っている事からわかる。そして「自分をウーイッグから連れ出してくれたクロノクルを愛している(愛そうとしている)」事。
  • 従って「ウーイッグの優しいカテジナお姉さん」という理想の女性像を押し付けてくるウッソは敵以外の何物でもなく、かといって優しく紳士だが力が伴わないクロノクルにはない強さを持ったウッソという存在は無視できない。
    そこでウッソの存在を払拭するため1vs1でクロノクルにウッソを討ってもらう必要があった。
    「勝った方を私が全身全霊かけて愛してあげる」とは言うもののもちろんクロノクルの勝利しか望んでいない。カテジナ・ルース
  • 自分が全身全霊で愛したクロノクルが(敗北の間際、カテジナの名でなく姉の名前を呼びながら)逝った事で事実上彼女の戦争は終わったと言える。
    そもそもマリア主義もザンスカールもどうでもいいカテジナが、愛する者の仇であるウッソを騙し討ちで刺す事も不思議ではない(おかしいのは確かだが)。
  • かくも男が戦わない世界では女が業を全て引き受けるしかない。

クロノクル・アシャー

  • ザンスカール帝国女王マリアの弟にしてカテジナの「白馬の王子様」。クロノクル・アシャー
  • 「シャアみたいなの出してよ」という身もふたもない要求に応えて生み出された彼は真摯に愚直に任務をこなすが、
    ・ウッソのライバルパイロットとしては力量不足
    ・人間力ではファラやカテジナには到底及ばない
    ・マリアの親族としての波乱エピソードはシャクティに取られる
    ・宰相カガチの横暴に反抗する役回りはタシロに取られる
  • 結果として自分がやれるはずだった未来(エピソード)を全て取られ、「(キャラのアクの強さ的に)なぜカテジナがそこまで尽くすのかわからない」凡人キャラが出来上がってしまった事は彼の悲劇だろう

U.C.0153 06.23 エンジェル・ハイロゥ分解、ザンスカール帝国艦隊壊滅

ザンスカール帝国宰相フォンセ・カガチは人類に絶望し「争い無く地球圏を平定させるため」の巨大サイコミュ要塞「エンジェル・ハイロゥ」を完成させる。
ハイロゥ内で冷凍睡眠している2万人のサイキッカーがコアニユットである女王マリアの祈りを増幅させ、人間の闘争心を無くす強力なサイキックウェーブを放出する。エンジェルハイロゥ

しかしこのサイキックウェーブは、浴びた人間を昏睡状態にさせ幼児状態まで退行させ衰弱死させるもので、これにより自らも含め人類を一掃するのがカガチの真の目的だった。
残された冷凍カプセル内のサイキッカー達による、争いの無い世界での新たな人類の進化を目論んでいたのかもしれないが、人類憎しのあまりのダイナミック自殺である可能性も依然として高い。

リガ・ミリティアの抵抗と少女「シャクティ・カリン」がサイキック(NT)能力でエンジェル・ハイロゥを自壊させた事でザンスカール戦争は終結する。

宇宙世紀 0203 人狩り組織「マハ」、地球逆移民計画を発表【ガイア・ギア】

シャアの記憶を移植されたメモリー・クローン「アフランシ・シャア」が所属するジオン残党組織「メタトロン」と、連邦軍の過激派武闘組織「マハ」(マン・ハンターの略)との抗争が発生したとされる。

ガイア・ギア

  • 1987年から連載された小説「ガイア・ギア」による。最初のタイトルは「機動戦士ガイア・ギア 逆襲のシャア」、現在は絶版。
    権利的な問題からMSは「マンマシーン」に名称変更しており、宇宙世紀に組み込む上で問題となりそうな部分ではある。ガイアギア
  • 本文中の解説で「ア・フランシ・シャア」とは「自由になったシャア」の意味との解説があり、こちらのシャアは政治的な活動もしないし、赤いMSにも乗らず、年下の少女に母性を求めたりしない。時期的にちょうど劇場版「逆シャア」を構想・製作していた頃で、冨野監督は同時期に2人のシャアを描いていたという事になる。
    なお、いつもの病気で本人的に黒歴史にしたい作品のようだ。

宇宙世紀 0218 地球連邦解体【G-SAVIOUR(セイバー)】

度重なる戦乱に疲弊した連邦が内部分裂の末、瓦解。
各サイドの独立を認めた事により、サイド3宣言から約150年続いた宇宙移民者たちの独立戦争に一つのピリオドが打たれた。

これにより差別的ともとれるスペースコロニー(植民地)という名称がスペースセツルメント(定住地、入植地)に改称される。

gセイバー2

地球政府はサイド2,3,5,7を取り込み強大な連邦制国家「セツルメント国家議会」を形成。
サイド1,4がセツルメント自由同盟を結成し、残りのサイド6や小規模サイドが独立している勢力図が連邦崩壊後の新世界となり、戦乱は続いていく。

G-SAVIOUR

  • 日本とカナダで2000年に共同制作されたスペシャル版実写テレビドラマで、U.C.0224(後述のゲーム内では0223年)の宇宙世紀を描く。実写とCGを合わせた作品で、2002年には一部の地域で日本でも放送された。
    連邦崩壊後、食糧難により再び地球とセツルメントの間で戦争が起こるであろうと予想されている時代であるが、従来のガンダムからは世界観がかけ離れておりファンを困惑させた。セツルメント国家議会
  • というのも元々宇宙世紀は宇宙世紀でも「Space Century」で別世界という設定であったが何らかの事情でU.C.に組み込まれる事となったためで、その割には版権の問題からなのか公式サイトも2003年ごろには消失し、公式の宇宙世紀年表にも載せてもらえないというまさに「黒歴史」を体現している。
  • PS2初のガンダムゲームとしてロボットシューティングゲームが発売されている。が、ゲームの内容が大雑把であったり謎が多いというよりも含みを持たせただけのストーリーが災いし、TV版の内容ともども評判はあまりよろしくない。
  • プラモデルも1/144スケールの「G-SAVIOUR無重力戦仕様」が発売されているが、人気のなさからかめったと再販がかからない。
    ただ、「ビルドファイターズ」第8話において二次元初の映像化となるG-セイバーの登場に合わせて再販がかかったが本編ではニルス用百式に秒殺された。ガンダムビルドファイターズ 第08話

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そして宇宙世紀の歴史がまた1ページ…

ターンAガンダム