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宇宙世紀年表が覚えられない妻のために解説してみた(0083~ZZ編)

Zガンダム

一年戦争の事になると早口になっちゃうおじさん、ゆーいち(@ucu1k2)です。

宇宙世紀年表が覚えられないと嘆く妻のために宇宙世紀の流れを時系列で振り返るエントリーの2回目です。
前回は宇宙世元年から一年戦争終結までを解説しましたが今回は0083からティターンズの台頭、エゥーゴの戦いを描くZ、そしてZZのネオジオン戦争までを解説します。

U.C.0080
一年戦争終結
U.C.0083
機動戦士ガンダム0083
U.C.0083 デラーズフリート紛争終結
U.C.0087
機動戦士Zガンダム
U.C.0088 グリプス戦役終結
U.C.0088
機動戦士ガンダムZZ
U.C.0089 第一次ネオジオン戦争終結

一年戦争時代を振り返る場合は

ラストシューティング宇宙世紀年表が覚えられない妻のために解説してみた(一年戦争編)

先の時代へ

ラストシューティング宇宙世紀年表が覚えられない妻のために解説してみた(逆シャア~NT編)鉄仮面宇宙世紀年表が覚えられない妻のために解説してみた(ハサウェイ~V以降編)

このエントリーは各作品のあらすじ、一部ネタバレを含みます。ご注意ください。

U.C.0081 9.17 アナベル・ガトー少佐、デラーズ・フリートに原隊復帰

時を同じくしてこの頃、連邦軍とアナハイム・エレクトロニクス(AE)社にて「ガンダム開発計画」が始動する。

U.C.0083 8.11 ハマーン・カーンがアクシズの指導者としてミネバ・ラオ・ザビの摂政役に就任

ア・バオア・クー戦の後、ジオン残党軍の多くは小惑星アクシズに集結して身を潜め、ここから反抗の機会をうかがうことになる。
またアクシズは、地球圏に潜むデラーズ・フリートとも接触し、MAノイエ・ジールを供与している。

宇宙世紀 0083 10.13 デラーズ・フリート、「星の屑作戦」発動【ガンダム0083】

ガンダム開発計画によってオーストラリアのトリントン基地に搬入されたガンダム試作1号機(GP01)「ゼフィランサス」と試作2号機(GP02)「サイサリス」の内、Mk.82レーザー核融合弾頭を発射できる試作2号機をガトー少佐率いるデラーズ・フリートが強奪。
同基地のテストパイロット、コウ・ウラキ少尉が試作1号機に搭乗し、1度は逃亡を阻止するも最終的に試作2号機はデラーズ・フリートの手に落ちる。ガンダム0083

U.C.0083 「機動戦士ガンダム 0083 STARDUST MEMORY」

オーパーツともいわれる驚異的なセル画の書き込みで、連邦宇宙軍ペガサス級強襲揚陸艦「アルビオン」隊を中心とした連邦軍とジオン残党軍「デラーズ・フリート」による「デラーズ紛争」を描いたOVA・劇場作品。「0080」「08小隊」同様、ニュータイプは登場しない。

後のZガンダムにつながる流れから、事態終息に命を懸けるコウ・ウラキたちの奮闘をよそに、紛争を利用して勢力拡大を図ろうとする連邦軍上層部の腐敗、戦局を楽観視する無能さが描かれる一方で、デラーズフリート側の主人公アナベル・ガトー少佐の愛国心、忠義心が対照的に描かれ、視聴者にいわゆるジオニスト(ジオン信奉者)を多く生み出したとされる。

しかしジオン側も大量虐殺(破壊)はいとわない、また連邦へ寝返る者がいたり、少数精鋭によるジオンの再興という自己陶酔ともいえる滅びの美学によって目的を完遂したものの残された同胞を更に苦しめる事になるなど、単純にジオン万歳とは言い難い演出がなされている。
0083

ポイント

  • 非常に人気が高い外伝作品の一つ。ガンダム「ステイメン」をコアユニットとするガンダム試作3号機(GP03)「デンドロビウム」を始めとしたカトキハジメのデザインによるMSも人気が高く、そのMS戦も非常に熱い。デンドロビウムその一方でヒロインの行動に矛盾、齟齬が生じるなど物語的な評価は一段落ちる傾向。ジオンの再興のために能動的に戦うガトーに対し、ガトーを倒すために彼を追いかけ受動的に戦うウラキは結局ガトーに勝つ事ができない点もモヤモヤとしたものを残す。
  • 「理想と忠義を盲信し、対話が成立しない」テロリストの恐怖が身近になってきた現代では、ガトー達に対する評価が変わってきているのもまた面白い所。
  • ガトーがコンペイトウ(ソロモン)の艦隊式を核バズーカで消滅させる際の「ソロモンよ、私は帰ってきた!」はこれまた有名なネットミーム。
  • キャラ変更の犠牲者とも言える様々な事情はあるにしても、今カレのコウを裏切ったあげく元カレのガトーにも見放され、再びコウの元に「すげーいい笑顔で」戻ってきたニナ・パープルトンは「ガンダム三大悪女」の一人に数えられる事が多い

check!

  • GP02サイサリスの装甲、冷却機能付きの巨大なシールドは核バズ使用時の爆発に対する耐熱を想定しているが、核の使用を禁止した南極条約以前はザクが何の問題もなく核弾頭バズーカを撃っていたりする。そのためザクが撃っていたのは威力の低い「核分裂弾」、こちらは高威力の「核融合弾」という後付けがされた。
  • 物語の最初の舞台となるトリントン基地は僻地であるがゆえに敵から重要視されない拠点であることを逆手に取り、連邦軍の核兵器貯蔵庫、新型MS開発実験場として使用されていたが二度のジオン残党軍の攻撃を受け、本当に僻地化。
    左遷軍人の吹き溜まりと化していたがそれでも「機動戦士ガンダムUC」で三度目の襲撃を受けるという不幸を一身に背負っている基地。
  • 穀倉地帯を狙い地球の自給自足を絶やす作戦は、外伝漫画「コロニーの落ちた地で」に登場した「生物環境兵器アスタロス」がある。

U.C. 0083 11.10 ガンダム試作2号機の核バズーカにより連邦宇宙軍艦隊の2/3以上が消滅

地球連邦の支配力をアピールするためにコンペイトウ(ソロモン)にて行われた観艦式をデラーズ・フリートが強襲。核バズーカ残り1/3の艦隊でもデラーズ・フリートをはるかに上回る戦力を有する地球連邦軍には余裕すら見られたがデラーズフリートの次の一手によって心胆を寒からしめる事となる。

U.C. 0083 11.11 ジオン残党軍シーマ艦隊によって強奪されたコロニーが地球への落下コースに乗る

コロニー再建計画で移送中のサイド4「アイランド・イーズ」と「アイランド・ブレイド」をシーマ・ガラハウ部隊が制圧。コロニー落としが実行される。
当初月面都市「フォン・ブラウン」へ向かっていた「アイランド・イーズ」コロニーは連邦艦隊を引き付けたところで地球へ進路変更。シーマ艦隊推進剤が枯渇した連邦軍艦隊は追撃を断念、追撃可能なアルビオン隊はコロニーの進路変更が可能な阻止限界点でデラーズ・フリートと激戦を繰り広げる。

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  • サイド4は1年戦争初期に壊滅的被害を受けた宙域。外伝漫画「機動戦士ガンダム サンダーボルト」では、破壊されたコロニーや艦隊の残骸が放電現象を起こしている事からサンダーボルト宙域と呼ばれている。

U.C. 0083 11.12 コロニー、阻止限界点を超え翌日13日に北米大陸穀倉地帯に落着

落着攻撃地点は連邦軍本部がある南米のジャブローと予想されたが、デラーズ・フリートの目的は当初から穀倉地帯であり、地球の食料をコロニーに供給して貰わざるを得ない状況を作り出し、スペースノイドの発言権を高める事だった。
しかし連邦政府はコロニー移送中の事故として発表しこれを隠蔽。
また、選民意識によりスペースノイドを危険視するタカ派が台頭、ジャミトフ・ハイマン率いる地球至上主義の特殊組織「ティターンズ」結成の契機となる。

宇宙世紀 0083 12.04 連邦軍に旧ジオン公国軍残党狩りを提唱する軍閥「ティターンズ」が結成される

事件隠蔽の一環として翌年3月10日「ガンダム開発計画」そのものの抹消。これによって「デラーズ紛争」は終結する。

U.C.0084 09.21 シャア・アズナブルがアクシズから地球圏に帰還

反ティターンズを掲げ軟禁されていたブレックス准将を救出したシャアは「クワトロ・バジーナ」を名乗り連邦軍の軍籍を取得、反地球連邦政府運動(A.E.U.G./エゥーゴ)に参画する。

U.C.0085 07.31 毒ガス大量殺害事件「30バンチ事件」勃発

反連邦デモが活発化していたサイド1の30バンチコロニーにティターンズが毒ガスを注入し、住民を虐殺する。
使用された毒ガスはG3ガスで、一年戦争初期にジオン軍が使用したものと同じ。
これにより反ティターンズ組織エゥーゴの活動を活発化させることになり、連邦内部での内乱が勃発する。

宇宙世紀 0087 03.02 グリプス1にてガンダムMk-IIをエゥーゴが強奪【Zガンダム】

グリーンオアシス(旧サイド7)のコロニー「グリーンノア」で試作MS「RX-178 ガンダムマークII」3機の内2機をクワトロ大尉率いるエゥーゴが奪取。
ティターンズの情報操作により「ジオン残党軍の集まり」と吹聴されていたエゥーゴは、一年戦争のシンボルである「ガンダムタイプ」を手に入れた事で自分達の正当性を喧伝、更なる運動の起爆剤にしようとする。

一方マークIIを奪還したいティターンズとの間で発生したいくつかの戦闘へ経て戦線が一気に拡大、「グリプス戦役」が勃発する。

U.C.0087 「機動戦士Zガンダム」

一年戦争から7年後、ジオン殲滅を掲げ権力拡大を目論むティターンズと、その反組織エゥーゴによる「連邦軍内部での内乱」を描く。通称「Z(ゼータ)」。
繊細で感情の起伏が激しい少年カミーユ・ビダンの出会いと別れを通して、ニュータイプの概念定義をさらに推し進めた。

連邦軍の内乱である事や第三勢力アクシズの参戦などストーリーラインが複雑化した事から放映当初は賛否両論であったが、現在のストーリーテーリングレベルからは理解できる範囲であり、若いファンには受け入れられている。ガンダムマークII回し蹴り

ポイント

  • MSデザインには多数のデザイナーが採用された。
    折しも物語内でも様々な兵器メーカーが独自にジオン系MS技術と連邦系MS技術を混ぜて今作品のMSを製作した事もあり、多種多様な(良くも悪くも統一感のない)MSが多く登場する。
  • 主人公側のエゥーゴにジオン系のモノアイ機(リックディアス)が登場したり、ジムIIが両陣営で使われたり、またパプテマス・シロッコ製作のMSやアクシズ系MSが入り乱れた事は視聴者に混乱を抱かせる原因となった事は否めない。パプテマス・シロッコ
  • ティターンズ敗北によってMS製造はアナハイム・エレクトロニクス社にすべて委託する事になり、再び統一化が図られる事になる
  • シャア(クワトロ)やアムロ、ハヤトやカツなど前作で登場したキャラクターが登場。中でもニュータイプ(=ジオンの思想)であるアムロは連邦軍に危険視され監視(軟禁)生活を送っているという設定は非常に深い。
    外界との交流は著しく制限され、小説版では「懐柔のため女をあてがわれていたが深い関係になると何をするか分からないので1週間で次の女が来ていた」という旨の描写がある。
  • 生者・死者の力を借りてパワーアップするなどの、ニュータイプによる超常現象(いわゆるオカルト)が議論されるのもこのあたりから。
  • 2005~06年に「新訳」としてTV版を再構成、一部映像をリファインした劇場版三部作が上映された。テレビ版では最終決戦で精神崩壊を起こしたカミーユが劇場版では無事に帰還しており、20年の年月を経て悲劇的要素が回避された一方、後のネオ・ジオンそのものがなかった事になった事も併せて後の「ZZガンダム」につながらない部分がある。
    またクワトロのダカール演説が丸々カットされたり、突然アクシズ(ネオ・ジオン)が参戦してきたり、重要なキャラが編集の都合上いなかった事にされたのに幽体となって現れたり、同じく重要キャラがいつの間にか死んでいたり等々、酷評も致し方ない部分は多い。

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  • スペースコロニーの暴徒鎮圧用に開発されていたガンダムMk-IIは、ジオン残党への心理的影響を図る実験としてガンダムフェイスを持ちガンダムの名前を冠しているが、RX-78ガンダムとおなじルナチタニウム合金(ガンダリウム合金)装甲ではなくチタン合金セラミック複合材が採用されている格下機体。
    装甲と骨格(フレーム)を分離した「ムーバブルフレーム」を採用した最初の機体であり出力や推力は向上しているが、物語全体では下位の性能となる。それを受けてゲームなどでも人気のわりに性能は低く設定されている。ガンダムマークII
  • ガンダムMk-IIは大河原邦男氏・永野護氏・藤田一巳氏の三名にてデザインされたが、以降の「ガンダムタイプ」のベースとなる圧倒的な完成度となっている。
  • OP1で登場する謎のタマネギこと「謎のMS」はもちろんZガンダムの原型デザインで、当初「Z」が物語序盤からカミーユ搭乗機として登場する予定だったのが大人のマーケティング事情で先送りにされたため急遽ガンダムマークIIがデザインされ登場することになった。謎のMS
  • 「ガンダムUC」でバナージが叫び声でユニコーンガンダムを起動、召喚して波紋を呼んだが、「Zガンダム」ですでに強化人間フォウ・ムラサメがサイコガンダムを思念で呼び出している描写がある。フォウ・ムラサメ
  • 一時期ネットではスパロボ4コマ漫画のカツいじめネタを一つの転機として「カツ死ね」が定番ネタになっていたが、ゲーム内で足を引っ張るNPCである事、また本編での「未成年の主張」のような青臭い正論と行動が「迷走する周囲の大人たち」と比較され、高い年齢層の視聴者のヘイトを集めた結果になっていたと思われる。昨今ではほぼ形骸化したネットミーム。

U.C.0087 06.29 ティターンズ、ホンコンシティにサイコ・ガンダムを投入、襲撃

サイコガンダム強化人間フォウ・ムラサメとカミーユの距離が縮まるのを見て、アムロはかつて自分が殺めたララァ・スンとの関係にそれを重ねていた。
フォウは幾度かの戦いを経て、最終的にカミーユを宇宙へ戻す算段を整えた所で上官に撃たれ死亡する。

U.C.0087 08.17 エゥーゴ指導者ブレックス准将暗殺

連邦議会に出席し、ティターンズの指揮権拡大を阻止するため地球に赴いていたブレックスは滞在先のホテルでティターンズに襲われ、息を引き取る間際、クワトロ・バジーナをエゥーゴの代表に指名する

U.C.0087 10.14 エゥーゴがシャアを仲介してアクシズと接触

共闘のためエゥーゴはジオン公国残党組織アクシズと接触するが、ザビ家の遺児ミネバ・ラオ・ザビ姫を個人的な復讐の依り代としている宰相ハマーン・カーンとシャアの個人的な確執から交渉は決裂。
その後ティターンズもアクシズに接触を図り、ジオン残党軍とジオン残党狩り組織の間に同盟が結ばれる事となる。

U.C.0087 11.16 ダカール演説

エゥーゴとカラバはダカールで開催中の連邦議会を占拠し、クワトロ大尉はベルトーチカ・イルマが手配したTV中継を使って「自分がシャア・アズナブルである」事と「ジオン・ズム・ダイクンの遺児である」事を世界に喧伝し、ティターンズの非道性を訴えた。ダカール演説一方、議員が多数いるにもかかわらず議会を破壊して武力で中継を妨害しようとしたティターンズ攻撃部隊と、議会(都市)守備のために配備されていたティターンズ防衛部隊との間で指揮系統混乱からくる同士討ちが発生。
演説に感銘を受けて寝返りエゥーゴ側に付く姿も中継され、ティターンズは急速に求心力を失っていく。

元々連邦「軍」内での軍閥争いであり「連邦政府」は横暴なティターンズ側からエゥーゴ側につくが、結局自分達アースノイドが一番であるという地球至上主義自体は変わらず、政府上層部を取り込んだ事が後にエゥーゴの腐敗を招く事になる。

エゥーゴとティターンズのパワーバランスを一転させた大きな出来事であったが劇場版Zではエピソードごとカットされている。

U.C.0087 12.26 エゥーゴ、アクシズと同盟を結ぶ

ティターンズが完成させたコロニーレーザー砲「グリプス2」による月面都市グラナダの攻撃を前に、再度アクシズと交渉。
ハマーンへの個人的確執に対しシャアが頭を下げた事で彼女はこれを了承。エゥーゴアクシズ同盟アクシズ部隊がグリプス2を停止させた事で、グラナダへの攻撃は回避される
翌年01.18にエゥーゴはアクシズと共に、ティターンズの本拠地である宇宙要塞「ゼダンの門(旧名ア・バオア・クー)」での戦闘に勝利しこれを破壊、アクシズはグリプス2の奪取に成功する。

U.C.0088 01.25 パプテマス・シロッコがティターンズを掌握

ティターンズとアクシズの同盟が決裂。トップ会談が行われる内、エゥーゴの乱入による混乱に乗じてシロッコがティターンズ総帥ジャミトフを暗殺。その罪をハマーンに擦り付ける事で実権を握る。
後に、コロニーレーザー攻撃や複数回にわたる毒ガスによる虐殺を実行してきたティターンズ総司令官バスク・オムも総旗艦ドゴス・ギアと共にシロッコ軍によって粛清された。

ジャミトフ・ハイマン

  • ティターンズ全軍指揮を執る中で増長してきたバスク・オムを牽制する目的でジャミトフ総帥はシロッコを木星から呼び寄せたが、その男に撃たれるとは皮肉である。ジャミトフ・ハイマン
  • 思想などについてはTV版ではほぼ語られる事は無く、ティターンズの非人道的な行動すなわちジャミトフの思想と思われがちであるが、小説版によると「ティターンズ創設の目的は地球至上主義からくる地球環境の再生」であり、最終的に地球から人間がいなくなれば地球は再生されると考えている。アースノイド万歳なティターンズより更に極端な地球LOVEである。
  • 「逆シャア」のシャアの思想とほぼ同じだがシャアよりも雑念が無い感じ。
  • まぁ大体、東方不敗マスターアジアと同じ思想
  • そのために戦争を起こしてアースノイドは根絶やしにするか宇宙へ追い出しもするし、スペースノイドですら地球の寄生虫とみなしている描写もある。
  • この異常と言えるまでの地球愛は、配下で実行部隊のバスク・オムには表層的にしか伝わっておらず、ジオン残党やスペースノイドに対する過剰な弾圧を修正できなかった事が彼を滅ぼしたとも言える。

U.C.0088 02.02 エゥーゴ、アクシズからグリプス2を奪取

報復としてハマーンは月面都市グラナダに小惑星アクシズを落下させようとするが、エゥーゴがメールシュトローム作戦によりグリプス2を奪取。
グリプス2のコロニーレーザー砲によってアクシズの軌道が変わり、落下は阻止される。

宇宙世紀 0088 02.22 ティターンズ壊滅、「グリプス戦役」終結

コロニーレーザーによりティターンズ艦隊壊滅、戦闘によりエゥーゴ艦隊も相当の被害を受ける一方で、戦力を温存していたアクシズ艦隊の被害は最小限となった。
ティターンズを指揮していたシロッコは撤退、航宙輸送艦ジュピトリスを目前にしてカミーユが駆るZガンダムの特攻(体当たり)を受け死亡。スイカバーその断末魔の怨念は、ここまでの戦いで極限状態にあったカミーユの精神を崩壊させた。

PS版のゲームではクワトロ(シャア)はこのカミーユの惨状を見て「地球の重力に魂をひかれた者たちのエゴに押し潰され、結局はこんな悲しみだけが繰り返されていく」と評し、後のシャアの反乱に繋がる含みを持たせている。

カミーユ・ビダン

  • ニュータイプ能力の中でも特に感受性に優れる。最高のニュータイプと公式に設定されている。カミーユ・ビダン
  • TV版では最後カミーユがシロッコに「ここからいなくなれ」と言い放ち、自らも精神崩壊しているが、劇場版では「女達の元へ戻るんだ」に変更され、精神崩壊せずに自分もファ・ユイリィの元へ戻っている。
    また、TV版ではシロッコ打倒後ウェーブライダー(飛行形態)のままであったが、劇場版ではカミーユが意識を取り戻すとロボット形態(人型)に戻っている。これは意図的に対比させたものだろう。
  • 劇場版では彼を追い詰めた要因のいくつかがカットされており、またファという「帰れるところ」を得ていた事が精神崩壊を免れた要因の一つと考えられる。
  • 空手を習っている事もありTV版で殴った回数は17回、殴られた回数は19回。殴りあい宇宙。

U.C.0088 04.05 ティターンズ派の青年将校らによる「ペズンの反乱」終結【ガンダム・センチネル】

01.25のジャミトフ暗殺と共にエゥーゴ側についた連邦政府に対し、ティターンズ思想の青年将校たちが「ニューディサイズ」を標榜して武装決起。グリプス戦役後にネオ・ジオンとの戦争を想定していた連邦政府は当初少数精鋭部隊での鎮圧を目論んでいたが、本星艦隊の造反などにより戦力を本格投入、将校たちの反乱は鎮圧された。

ガンダム・センチネル

  • 「ペズンの反乱」はモデルグラフィック誌にて展開された外伝エピソード「ガンダム・センチネル」による非公式ストーリー。
    幕末志士を基にしたキャラネーミング、幕末維新をモチーフとしたストーリー展開などから「幕末ガンダム」とも呼ばれる。ガンダムセンチネル公式映像化はされていないが、細かな世界観の構築やカトキハジメによるMSデザイン、低彩色・ロービジ塗装・スプリッター塗装、グラフィカルなロゴデザインなど軍用航空機的装飾を導入しており、プラモデルの作例などを始めとして後年のガンダム作品に与えた影響は非常に大きい。
  • S(スペリオル)ガンダム、EX-S(イクスェス)ガンダム、ゼータプラスなど人気のMSが登場する一方でバンダイとモデグラ誌側との間で版権問題が複雑化。一応の決着を見たものの現在でも若干「大人の事情」を感じさせる部分を残している。
  • サイコフレームの試験機として「RX-90 μガンダム」が名前のみ登場する(デザイン稿は起こされていない)。後の「RX-9 ナラティブガンダム」とする説もある。

宇宙世紀 0088 02.29 アクシズ、ネオ・ジオンを標榜し、ジオン再興を宣言【ガンダムZZ】

「ミネバ・ラオ・ザビ」を掲げジオン公国残党組織アクシズをネオ・ジオンに改称した摂政「ハマーン・カーン」は「グリプス戦役」の戦後の混乱を突いて各コロニーを制圧。
「第一次ネオ・ジオン抗争」勃発する。

翌日3月1日、先の戦役で傷ついたエゥーゴの旗艦「アーガマ」の艦長ブライト・ノアは、サイド1の「シャングリラ」コロニーで補給と修理を行っている最中、金のためにZガンダムを盗んで売り払おうとしたジャンク屋の少年、「ジュドー・アーシタ」と出会う。

U.C.0088 「機動戦士ガンダムZZ(ダブルゼータ)」

最強のニュータイプと称される天真爛漫な少年ジュドーを主人公に、エゥーゴ対アクシズ(ネオ・ジオン)の戦いを描いた作品。

Zガンダムから2年続けての放送となるが、コメディ色の強い序盤の展開で「従来の硬派なガンダムファン」が離れるという事態に。
中盤から「いつもの」シビアなガンダム色が戻ってくるが、主人公たち「ガンダム・チーム」が全員子供で構成されていたり、3機合体したガンダムがポーズを決めるなど、どこか楽天的な雰囲気を残した作品となった。
ZZガンダム

ポイント

  • 「子どもはニュータイプ!」というキャッチコピーで始まったが、いわゆるニュータイプ的な言動・現象は終盤まであまり出てこない。
    またストーリーはZに比べると平易で、合体変形する超強いロボットの登場や、前作から引き続き登場しているブライト、ハマーン、ヤザン・ゲーブルといった面々も能天気な芝居を見せ、前作「Zガンダム」が暗すぎると批評された冨野監督の当時の心境がうかがえる。ガンダムチーム
  • MSは火力全振りZZガンダムを筆頭に、「MSの恐竜的進化」と言われるサイズアップ、重武装盛り盛りのゴテゴテしたデザインが多い。
  • ジュドーは自分たちの仲間や妹まで失ったと思い込んでいたにもかかわらず、ハマーンの心を覗いたとき怒りをもって「憎しみを捨てろ」と超人然とした言動を行っているが、これはある種ジュドーがエゴを超越した完成したニュータイプであると言えるかもしれない。

まとめ

  • 主人公ジュドーにはこれまでの主人公たちに見られた両親との対立が無く、周囲の大人たちに比較的好きにさせてもらっている描写が多い。これはカミーユとの対比だろう。ハマーンカーン
  • ガンダムUCの脚本家である福井晴敏氏が「ZZがなかった事にされるのはおかしい」とZZの要素を取り込んだと語っている。
    今作に登場する強化人間エルピー・プルやプル・ツーと同時期に作られた「プル・トゥエルブ(マリーダ・クルス)」や、MSクイン・マンサを小型化したクシャトリヤが登場したりがその部分にあたる。
  • サイコミュや強化人間あたりのエピソードに厚みがあり、以降の作品のベースとなっている。
  • 組織的軍事行動が少なく、いわば「ふざけたノリ」の展開であるにも関わらずアイルランドへのコロニー落としやコア3コロニー破壊などにより民間人の死傷者はものすごい事になっている。
  • 当初ラスボスはシャアになる予定だったが「逆襲のシャア」の企画がスタートしグレミーが内乱を起こす脚本に変更された。このためシャア(クワトロ)は第1話のOPから出てくるが本編には全く登場しない「OPであくびをするだけの人」になってしまった。あくびおじさん
  • ZZガンダム変形後のキメポーズは、ハリウッド映画「Ready player 1」のガンダム登場シーンで採用されている

U.C.0088 03.16 ガンダム・チーム、ラビアンローズからZZガンダムを受領

コロニーレーザーの20%ほどの威力があるという額のハイ・メガキャノンを筆頭にダブル・ビームライフルやバックパックのダブル・キャノンなど超火力を備えた第4世代MS。

U.C.0088 08.29 ネオ・ジオン地球降下、アフリカのダカールにある連邦議会を占拠

アーガマ部隊は各コロニーを制圧していくアクシズの地球降下を阻止すべく孤軍奮闘するが失敗。
ダカール戦では劣勢に追いやられるが援軍の到着で挽回し、アクシズをダカールから撤退させる。

U.C.0088 10.28 ネオ・ジオン、サイド4のコロニーを地球落下軌道に乗せる

連邦政府は市民にコロニー落下の事実を隠匿していたため避難が遅れる。
10.30、アイルランドのダブリンにてエゥーゴとネオ・ジオン交戦。1stから登場しているハヤト・コバヤシ戦死。
10.31、ダブリンにコロニー落着。

check!

  • ネオジオンの地球降下からコロニー落としまでを阻止できなかったように、作品中でジュドー達アーガマ隊はほとんどの軍事行動において戦況を一転させるほどの戦果は挙げられていない。
    グレミー・トトが搭乗するクィン・マンサの撃破がほぼ唯一の手柄と言え、ハマーンを討ち取った点においてもネオ・ジオンの敗北はその時点で明らかであり、最後の一押しに過ぎないと言える。

U.C.0088 11.14 連邦政府はネオ・ジオンにサイド3を譲渡、ネオ・ジオンは地球から撤退

ハマーンの目的である「戦後の混乱をついて軍事的勝利を収め、連邦から有利な条件を引き出す」という目論見は見事成功したと言える。

U.C.0088 12.25 ネオ・ジオン内でグレミー・トト派が謀叛、決起。アクシズを奪う。

ザビ家の真の後継者を名乗るグレミーが反乱、アクシズを掌握する。
ハマーンに対するザビ家信奉者が反乱を起こすのであればこのタイミングしかなかったと言えるが、結果的にこれが戦局的優位にあったアクシズを崩壊させる事になった。

ネェル・アーガマ部隊はグレミーを敵として攻撃を開始。

グレミー・トト

  • ニュータイプであるとも明言されておらず、その出生は明らかにされていないが、小説版では「デギン・ザビ」の隠し子としてトト家に入ったとされている。また、ギレン・ザビとニュータイプ女性との間の試験官ベイビー説もあるが真偽は不明。最終決戦では強化人間であるプルツーの状態を安定させるために自らクイン・マンサに乗り込んだ。グレミー・トト
  • ガンダムチームの「ルー・ルカ」に一目惚れし、「ママ、もしかしてこれが恋というものですか?」と語るなどコミカルキャラとして描かれるが実戦を経て戦士へと変貌する。シャアに代わってアクシズ反乱を起こす事になるという「逆シャア」制作決定による余波を一番受けたキャラである。
  • 最期はそのルー・ルカに撃たれ、微笑をたたえたまま閃光に消えた。
  • 漫画「機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画」では0079年に没落貴族のトト家に迎えられた幼少期のトレミーの姿がある。以降トト家の金回りがよくなったため、彼がギレンの落とし胤であると噂された。
  • 優勢な敵勢力が内部分裂で勝手に自滅するというのはわりとガンダムのお家芸な所がある。

U.C.0089 01.16 アクシズがコア3コロニーに激突。アクシズ艦隊壊滅

グレミー・トト戦死。
ハマーン・カーン、ZZガンダムとの戦闘後、自決。

ハマーン・カーン

  • 前作Zから登場、アクシズ(ネオ・ジオン)摂政として政治力・軍事力を縦横に行使、アイルランドへのコロニー落としによって連邦政府とも対等以上の関係を結んだが、グレミー(反ハマーン派)の反乱により、その未来は潰えた。ハマーンカーン
  • ジオンが存続するための生存圏としてサイド3の譲渡を要求する点からみても、「ジオン軍による地球圏の統治」は難しいと考えていた節がある。
    それに対し「身の丈を知らぬ」ジオニズム原理主義者の反発は予想していたが、それを封殺できるほどの武力を揃える事ができなかったのがハマーンの限界だったと言える。
  • キャラのルックスや担当声優の榊原良子さんの声質と相まって「ハマーン様」と様付けされる事が多い。
    ゲームなどでは凛とした「鉄の女」のようなイメージで出演するが、よく考えると「男がいないと駄目なくせにシャアやジュドーのようないつ居なくなるかもわからない男が好きで、そんな男を手元に繋ぎとめている時に幸せを感じる女」なのでなんというか正直めんどくさい性格をしている。
  • シャアLoveが過ぎてねじれたが、中の人(声優)は続編の「逆シャア」では総帥の愛人(ナナイ・ミゲル)役として登場という悪魔のような所業。

宇宙世紀 0089 01.17 エゥーゴ、ネオ・ジオンを制圧。第一次ネオ・ジオン戦争終結。

ネオ・ジオン旗艦サダラーンで発見されたミネバ・ラオ・ザビは影武者であり、本人の所在は不明。
ジュドー・アーシタは仲間たちと共に「ジュピトリスII」で木星へと旅立つ。
「ZZ」冒頭で病床に臥せていたカミーユは最終話で回復した姿を見せている。

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ラストシューティング宇宙世紀年表が覚えられない妻のために解説してみた(逆シャア~NT編)

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